虫歯はお口の中の虫歯菌が食事(糖)をエサに酸を作り、歯を溶かしてしまう感染症です。親ならば誰しも「こどもが虫歯で困らないようにしてあげたい」と願うものです。しかし忙しい子育ての毎日の中で虫歯予防に一生懸命取り組むのは容易なことではないと思います。虫歯予防に大切なのは虫歯の原因とリスクを理解し、効率の良い予防方法を知ることです。
小児歯科
小児歯科
当院では「虫歯の予防」と「治療でこどもが泣かないこと」を大切にしています。虫歯の予防が大切であることはいうまでもありませんが、治療で辛い思いをしてしまうとトラウマで歯医者嫌いになり、大人になっても歯科医院に通うのが怖くなり歯を失う悪循環になります。当院では初期虫歯の早期発見、管理とこどもの成長に合わせた治療により、安心して通えるように配慮した診療を心がけています。
虫歯はお口の中の虫歯菌が食事(糖)をエサに酸を作り、歯を溶かしてしまう感染症です。親ならば誰しも「こどもが虫歯で困らないようにしてあげたい」と願うものです。しかし忙しい子育ての毎日の中で虫歯予防に一生懸命取り組むのは容易なことではないと思います。虫歯予防に大切なのは虫歯の原因とリスクを理解し、効率の良い予防方法を知ることです。
人生において特に虫歯になりやすい時期は4つあります。
歯が生えてくる6ヶ月頃から虫歯になる可能性があります。この時期は食事内容が最も重要です。この時期に糖度の高い食品(チョコレートやジュースなど)を与えすぎると虫歯になってしまうだけでなく、甘い物ばかり欲しがる味覚になってしまい人生を通して虫歯になりやすくなります。4~5歳で初めて虫歯が見つかるこどもが多いのですが、実は虫歯の出来始めは3歳までのことが多く、この時期に歯科医院で初期虫歯がないか確認しておくことが重要です。
最初に生える奥歯の永久歯を第一大臼歯といいます。この歯は溝が深いため虫歯になりやすく、この歯を虫歯にしないことがカギになります。シーラントという予防処置が非常に有効です。
思春期になると親による管理から自己管理が主体になります。生活が忙しくなり歯みがきがおろそかになったり、買い食いなどの飲食回数が増えたり、部活でスポーツドリンクを飲むようになり虫歯リスクが大きくなります。
歯ぐきが弱くなり歯の付け根の弱い部分が露出することと、手指の細かい動きが難しくなってくることが原因です。
虫歯の原因とリスクをみていくと、歯みがきでプラークを取るだけでは十分な予防は難しいことがわかります。
実はきちんと歯みがきができなかった場合、約14日で虫歯は出来はじめます。2週間ごとに歯科医院に通う訳にはいきませんから、毎日の予防が重要なのです。ご家庭でできる虫歯予防は、「歯みがき(仕上げ磨き)」「飲食回数を減らす」「フッ素の使用」の3つです。歯みがきで予防効果を得るためにはプラークが全体の15%以下でなければなりません。これは忙しい現代の親にとっては簡単ではありません。また成長期で多くの栄養を必要とするこどもたちにとって飲食回数を減らすことも困難です。当院では歯みがき指導はもちろんですが、3つの中で最も簡単で効果が高い「フッ素ジェル」や「フッ素うがい」での虫歯予防を推奨しています。歯が生えた生後6ヶ月頃からうがいができるようになるまではフッ素ジェルの塗布、うがいができる年齢になったらフッ素のうがいへ切り替えましょう。
歯科医院では4ヶ月ごとの定期検診で虫歯のチェックと歯みがき指導、高濃度のフッ素塗布を行います。6~7歳で第一永久歯が生えてきたらシーラントという予防処置が効果的です。当院で一緒に虫歯ゼロ(カリエスフリー)を目指しましょう。
寝る前にフッ素のうがいを行うと、歯の表面だけでなく歯ぐきや粘膜にもフッ素が付着します。これが寝ている間に歯に作用し虫歯に負けない丈夫な歯になるのです。うがいのメリットは液体なのでみがくのが難しい歯間部にも作用してくれるのと、自分でうがいできる手軽さがあります。
シーラントは6歳頃に生える第一大臼歯に行うことが多い予防処置です。虫歯に非常になりやすい歯の溝をフッ素が入ったセメントで埋めて虫歯菌の侵入をブロックします。
こどもの虫歯治療手順の方法は大人と同じですが、乳歯は永久歯と異なる特徴を持っています。そのためきちんと対策して診療する必要があります。
乳歯の虫歯は茶色くなりにくく、大きな虫歯で欠けて初めて発覚することがあります。そのため初期虫歯は視診(目視)ではわかりにくく、X線写真による確認が必須です。当院ではX線による被曝が少なく一度に多くの歯が確認しやすい咬翼法(こうよくほう)という撮影法を行っています。
虫歯治療で使うつめもの(レジン)にとって水分は大敵です。乳歯は成分に水が多く含まれておりつめ物が接着しにくいという特徴があります。またこどもは唾液が多く息にも多量の水分が含まれており水分の多い環境で治療しなければなりません。当院では装着が可能であれば「ラバーダム防湿」や「ZOO」という方法で、できるだけ水分を除外して治療を行います。
※虫歯治療が難しい場合は、虫歯が進行しないように専用の薬剤とセメントで処置をして経過観察します。治療ができるようになったら虫歯を取ってつめものをしていきます。
こどもは転倒しやすく、トラブルの9割が上の前歯に関係します。外傷の時は一刻を争う場合がありますので、すぐ電話連絡して来院してください。
X線写真をとって問題なければ経過観察します。衝撃で歯の神経が失活する(死んでしまう)と1ヶ月ほどで歯の色が変色してくることがあります。年齢や歯の状態によって適切な治療を行います。
傷の深さを確認し、消毒します。傷が深い場合は縫合する場合もあります。歯が折れて破片が歯ぐきの中に入ってしまっていないかの確認も行います。
歯が折れた場合は破片があれば接着剤でつけ直せる場合はあります。かけらを持って早めに来院されてください。
歯が抜けた場合は再植(さいしょく)といって元に戻す処置が必要になります。抜けてから治療までの時間と歯の状態が成功率を左右するので、一刻も早く来院されてください。歯の表面の細胞が生きていることが重要なので、真水で洗うのは避け、牛乳に入れてお持ちください。
歯が生え始める生後6ヶ月頃からの通院がおすすめです。歯みがきの仕方や食生活で気をつけるべき点などのアドバイスを行いますので気軽に検診にお越しください。
当院では「デジタルX線フィルム」という、X線量が少なくすむフィルムを使用して被曝量が少なくなるよう配慮しています。また小さいフィルムで範囲も狭く、防護エプロンで体をガードして撮影するのでご安心ください。
フッ素は濃度と量をきちんと守って使えば健康に悪影響を及ぼすことはありません。世の中には色んな薬がありますが、どんな薬も量を間違えば必ず毒になります。フッ素は大量摂取で下痢をすることはありますが、それ以外に目立った副作用はありません。家庭用のフッ素は450~900ppmと濃度が低く安全性は問題ありませんが、ご心配な方は無理に使用を薦めませんので申し出ください。
永久歯が乳歯の真下から生えずにずれた位置からみえてきても、多くの場合は正しい位置に移動してきて自然に生え変わりますが、中には乳歯が抜けずに残ったままで歯ならびが悪くなることがあります。自然な生え変わりが難しそうな場合は抜歯が必要になります。